素材、加工精度共に欧米製のハイエンドモデルとなんら遜色はない。
驚くべきコストパフォーマンスだ。
電源ユニットはスッキリと木製の台座ボックスに収納できるのは素晴らしい。
燃料タンクの配管やコード類の取り回しも良く考えられている。
ただしエンジンの振動を考えると配線や電池ボックスは何らかの方法で
台座内に固定した方が好ましい。
慣れれば問題ないがトグルスイッチのON/OFFの表示もあった方が良いだろう。
台座ボックスも無垢の木製でチープ感は全くない。
底部にはゴム脚等の防振対策は欲しい所だ。
ミニチュアながらシリンダー上のホッパー(箱状部)に冷却水を入れる。
ガバナーに連動したロッドでバルブの開閉を行う。
回転数が落ちてきたときバルブを閉じシリンダー内の混合気に点火(Hit)し回転数を上げる。
回転数が上がればバルブを開き(Miss)はずみ車の惰性でしばらく回転し続け
再度回転が落ちれば上記の行程を繰り返し回転数を上げる。
HitとMissを繰り返し回り続けるのがHit & Miss エンジンの名の由来となった。
ハイテンションコードとプラグの接続はやや心もとないが
カーショップ等で入手できる電装パーツ類で簡単に改善できそうだ。
混合気の調整はキャブレター(写真中央左部)のニードルで行える。
はずみ車中央部のスプリングで留められた錘(写真中央部の右)の間隔が回転数に比例して遠心力で開く
ギヤー、カム、ロッドを介してバルブの開閉を行う。
発動機の胆ともいえるメカニズムも忠実に再現されている。
遠心ガバナー、ミニユアながらも当然ちゃんと作動するが
ややスプリングが強すぎる感がありちょっとぎこちない。
スプリングのテンションを少し弱めれば、よりHit&MIssらしく
回ってくれるだろう。
細部の作り込みにも抜かりはない。見事の一言に尽きる。
【諸元】
サイズ;180x125x125 mm
はずみ車径;88mm
重量;1610g
排気量;6cc
ボア;22mm, ストローク;20mm
電気系統、防振等に若干の甘さはあるが充分DIYでカバーできる範囲だ。
逆にある程度試行錯誤し自分だけのオリジナルのモデルに仕上げる楽しみも残っていると解釈した方が良いだろう。
欧米同等品のおよそ1/10の価格で驚きのコストパーフォマンス
世界中のエンスージアストが絶賛するのも納得できる逸品だ。
中国製が侮れない時代がとうとうやってきた。
YouTube動画で見てみる Cat Orange 様投稿動画です ↓
教材、教具としてもお勧めです
内燃機関の実働ミニチュアエンジン模型はかなり希少だと思います。
かつてさまざまな産業の動力源として活躍した発動機/ヒット アンド ミスエンジン
後世に継承すべき産業遺産の一つだと思います。
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ピストンリングについて スペア無料サービス
ピストンリングはゴム製のOリングを使用しているため、個体差、使用条件等により異なるが概ね積算運転時間20〜30時間ほどで寿命となる。
交換の目安はバルブを開いたときに動きが渋くなったり、バルブを閉じたときに圧縮を感じなくなった時が交換のタイミングとなる。 ワンオフで金属製のピストンリングを作る手も考えられるが、シリンダーの摩耗や各部の精度、コストを考慮するとゴム製をまめに交換した方が得策だと思う。
※積算30時間(一日一時間で1か月持つ)は模型としては致命的な問題ではない範囲と言える。
現在、各種Oリングをテスト中、弊社で購入いただいた方にはアフターサービスの一環として無償でお譲りしている。
交換手順やコツはCat Orange 様投稿動画が参考になります。
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Hit &Miss Engine 縦型水冷式
シリンダーが縦型となり周囲をウオータージャケットが覆っている。
手前の5本の真鍮パイプ部はラジエターとなっている。
コンロッド、クランクはアルミケース内に収まっている。
整備性は劣るものの潤滑油の飛び跳ねで周囲を汚さないのが利点と言える。
ただ、重心が高くなるので運転中の振動によるトラブルには注意が必要だ。
フライホイールの外側にはスタートロープ巻き付け用のプーリーが標準装備された。
フラーホーイール内側の点火タイミング調整ローターには溝が刻まれたプーリー状となっているのもありがたい。
ドライブベルトを掛ければ各種動力源として色々楽しめそうだ。
燃料チューブも振動でずれる事があるので、始動前に確認が必要だ。
市販のホースクリップを利用すればトラブル防止に役立つ。
ラジエター上部のフィラーキャップ(ローレット加工されたブリーザー穴のあるネジ)を外し冷却水を入れる。
冷却水は沸騰するまで温度は上がらないだろう。
恐らく煮えたぎる前にピストンリング(ゴム製)が逝かれてしまうと思われる。
万一、冷却水の圧が高くなってもキャップのブリーザー(通気孔)が圧を逃がしてくれる仕組みだ。
配管接続部はネジ式なので冷却水の交換も簡単に行えそうだが
錆、腐食を考慮するとクーラントとを混ぜるかどうか迷うところだ。
ウオーターポンプはカムを介してピストンを動かす往復ポンプ、カムとの接点にはボールベアリングが奢られている。
クランクケースのオイルフィラーキャップを外し注射器等を利用して内部にも忘れずに給油が必要だ。
ケース内で飛散するオイルが上部のシリンダーの潤滑にも利用されると思われる。
プラグキャップは専用に形成されたシリコン製となった。
耐久性、断線、リーク、接触不良の心配も少なくなると考えられる。
写真左下のキノコ状のパーツが排気管、写真上部のローレット加工のネジがキャブレターのスピンドルとなる。
スピンドルの開閉で混合気の調整が行える。
内燃機関としては始動性が良い模型だが、スターターロープが使用できるのはありがたい。
簡単、確実に始動できるように改善された。
※始動性が悪いエンジンで手首が痛くなったり、またうっかり回転方向を忘れてしまう事が多々あるので助かりますね。
【諸元】
サイズ;180x125x220 mm
はずみ車径;88mm
重量;1610g
排気量;6cc
ボア;22mm, ストローク;20mm
進化を続けるこのシリーズは侮れない。
欧米同等品のおよそ1/5〜1/10の価格で驚きのコストパーフォマンス
こちらも世界中のエンスージアストが絶賛するのも納得できる逸品だ。
YouTube動画で見てみる Cat Orange 様投稿動画です ↓
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